中沢593-1
三谷胤政の一族は、千葉四郎胤広(たねひろ)を始祖とする氏族であり、昭和50年に刊行された『横芝町史』では、千田荘(せんだのしょう)内の中村郷三谷村(なかむらごうみたにむら)(現多古町)が出自地との説が提起されています。このことから、同所より富里に移り住み、富里での勢力を拡大させていった一族であったと考えられています。
また、応永13年(西暦1406)に記された「香取造営料足納帳」には、中沢に居住した三谷一族の知行地(ちぎょうち)が記されており、この地にかなりの勢力を有していたことが明確です。
この史料の後、三谷氏に関する史料は確認されていないことから、その動向については不詳ですが、寺伝では中沢昌福寺が江戸初期の慶長年間に三谷胤政の開基によるものであると伝えられています。これを参考とすれば、三谷氏が15世紀初頭から16世紀末までの間、連綿と富里において在地土豪(ざいちどごう)の地位を保っていたと考えることができます。
以上のような歴史背景がうかがえる三谷胤政供養塔ですが、様式的には慶長年間に造立されたものではないと考えられ、おそらくは17世紀から18世紀初頭の作であると判断されます。
しかし、丁寧な彫りによって均整のとれた像容を示す大型の石造物であること、また、中沢地区に所在する千葉氏関連遺構などとの関係を考慮すれば、富里と三谷氏、ひいては千葉氏と富里の関係をうかがい知る上で貴重な文化財です。
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