中沢から立沢に通ずる所に大谷津と呼ばれる所がある。その先の地を矢崎という。この大谷津の地は、昔は池であったということである。
千葉介胤政ある時この地に来て遊猟に出て、獲物もなくその帰りのたそがれ時、この池の辺りを通りかかると、たまたま二羽の鴛鴦が池の水面に泳いでいるのを見て、箙の一矢を取り出し弓につがえて一発「ピュッ」と放ったが、矢は見事に当たり汀の叢中に入って鳥とともにその影を失った。翌日その場所に行き従者に叢中を捜させると、矢に当たったのは雄鳥であったが、雌鳥までが雄鳥の翼の間に首をはさんで死んでいた。
これを見た胤政は大変感動し、鴛鴦は夫婦愛の深いものとは聞いていたが、雄鳥の死んだのを見て雌鳥もともに死ぬとは思わなかった。鳥類ではあるけれども大変感心するところがあり、また、哀れなことだといって二羽の屍を厚く葬り、一寺を建てて、これを鴛鴦寺と呼んでその冥福を祈ったということである。その寺の跡であると伝えられている地は、三町ばかり離れた滝谷津と呼ばれる所で、その土地は今は昌福寺の所有で、懸崖の下清水こんこんと涌き出ているが、民家の屋敷となっている。
大谷津は小さな谷津なので、或いは谷津の転訛したものではないだろうか。今、矢崎というのは、その矢先の向かった所で名付けられたのであるということである。
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