受動喫煙をしない・させない
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たばこの成分と生体への影響

日本における喫煙に起因する年間死亡数は、能動喫煙によって12万人から13万人、受動喫煙によって約1万5千人と推計されています。
たばこの煙には、約5,300種類の化学物質が含まれており、その中には約70種類の発がん性物質が含まれています。
有害物質 | 有害理由 |
---|---|
ニコチン | 依存症にさせる作用があります。血管を収縮させ、血液の流れを悪くする作用もあり、動脈硬化を促進させます。 |
タール | たばこのヤニ成分。発がん性物質や発がんを促進する物質が数十種類以上含まれています。 |
一酸化炭素 | 酸素を運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こします。動脈硬化を促進させます。 |

主流煙と副流煙

副流煙にはさまざまな有害物質が含まれていて、「主流煙」よりも「副流煙」のほうがはるかに有害です。
吸う人も吸わない人も、周囲への影響について理解を深め、以下のことに心がけましょう。
・地域でルールを守り、受動喫煙防止に努めましょう。
・家庭内での受動喫煙対策に積極的に取り組みましょう。
・ひとりひとりが自身の健康を守る行動をとり、周囲への配慮にこころがけましょう。

周囲への配慮は法律で定められた義務です
健康増進法第27条では、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう、配慮することが義務となっています。
たばこを吸うときは、「配慮義務」が定められていることを意識し、周囲への配慮をお願いします。
<健康増進法第27条>
何人も、特定施設及び旅客運送事業自動車等の第29条第1項に規定する喫煙禁止場所以外の場所において喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。

自宅や私有地で喫煙する場合も配慮をお願いします
庭やベランダで喫煙した場合、その煙やにおいは隣近所の方の迷惑になっているかもしれません。
また、換気扇の下で喫煙した場合でも、煙や臭いが排気口から外に出て近隣の換気扇や通気口を通って室内に流れ込んでいる可能性があります。
プライベート空間で喫煙をする際も、周りの方に煙がいかないように注意し、望まない受動喫煙を生まないようご配慮ください。

自宅でのたばこの煙(受動喫煙)にお悩みの方へ
隣の家やアパートのたばこの煙が窓や換気扇から入ってくるなど、ご自宅での受動喫煙については、各々の自宅での喫煙が原因となり、健康増進法で喫煙を禁止することはできません。
隣地の喫煙にお悩みの方は、騒音やごみ出しなどの近隣トラブル同様、アパートの方は貸主や管理会社に、マンションの方は管理組合などに相談しましょう。
また、こういったことで解決しない場合は、弁護士などへのご相談もご検討ください。

受動喫煙によりリスクが高まる病気
喫煙は、がんだけでなく、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)、心臓病(心筋梗塞、狭心症)等多くの病気の原因となります。
また、受動喫煙は喫煙している人以上にその危険にさらされるといえます。

因果関係が十分にあるといわれる疾患は次のとおりです。
【喫煙による影響】
がん(肺・口腔・咽頭・副鼻腔・食道・胃・肝・膵・膀胱・子宮頚部)、動脈硬化、虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、結核(死亡)、糖尿病の発症、歯周病、流産、早産、胎児発育遅延など
【受動喫煙による影響】
「がん(主に肺)」、虚血性心疾患、脳卒中、臭気・鼻の刺激、子どもへの影響として、ぜんそく、SIDS(乳幼児突然死症候群)など

COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、たばこが原因で肺に炎症が起こり、肺の細胞が壊され呼吸に障害が起こる病気です。喫煙歴の長い中高年の方で、咳が続いたり、階段の上り下りで息切れしやすかったりなどの症状があります。
- さらに悪化すると、常時酸素吸入が必要になることもあります。息切れや咳、たんなどの症状があるときは早めに医療機関に受診しましょう。また、禁煙についても考えてみましょう。

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