さぁ夏休み どのように過ごしますか ー継続 そのための習慣化ー[令和8年7月17日]
- [更新日:]
- ID:17604
メッセージ
栽培開始から100年を迎えた、富里市が全国に誇る春すいか(富里市では栽培時期により、春すいかと秋すいかに分けられます)は、収穫が間もなく一区切りとなります。時を同じくして関東地方の梅雨明けも間近です(平年7月19日頃)。そして、小中学生の皆さんは夏休みに入りますね。今年の夏休みは、1か月半、1年の約8分の1にあたる45日間です。
45日間
先ほど記した、本市名産の春すいかの大玉を例にとると、花が咲き、め花が受粉してから収穫できるまで、約45日。(開花時期によって異なります。早い時期の開花だと50日ほど)夏休みとほぼ同じ期間ですね。この期間を長いと感じるか、短いと感じるかは人それぞれでしょうが、日々、手間をかけて育てている農家の皆さんは長く感じることでしょう。私個人としては、黄色く可憐な花が咲いてから、一抱えもある大きな玉になるまで45日ほどという生長の度合いが、かなり速いという感想をもっています。
この期間で実を大きくし、内部では水分を蓄え、甘みを充実させ、表面の緑を旺盛な生命力を表現するかのように濃く色づけ、黒の縞模様を力強く主張させていきます。そして、本市の誇る名産品として、収穫の時を迎えるのです。
45日間
皆さんはこの45日間をどのように過ごしますか。昨年もこのメッセージに記しましたが、長期のお休みでなければできないことがあります。例えば、決められた時間割に左右されることなく、読書に集中したり、自由研究に没頭したり、楽器の練習に力を入れたり等々。苦手なことを克服するために時間を使うこともあるでしょう。自分が経験したことのないことにチャレンジするのもよいでしょう。長期の休みだからこそできることを自分なりに見つけ出し、チャレンジしていくことが、自らを成長させていくのです。夏休みの期間に限らず、これからずっと続けていくことができることを、この休みの期間に見つけ出すこともできます。ただし、しっかりとした目標を立て、計画的に実行していくことが大切ですね。
さて、この夏休み中に自分の立てた目標を達成するためにはどうしたらよいのでしょう。また、この休みをきっかけにして始めたことを長続きさせるにはどうしたらよいのでしょう。まず目標の達成についてですが、その達成に向けてどのような方法をとるかは人それぞれですが、一つの方法を紹介します。
進捗(しんちょく)モニタリング
人は、目標を達成するために一歩を踏み出してから、達成するまでの間で、自分の現在地(今、どこまで進んでいるか)を知ろうとします。少し難しい用語ですが、心理学では「進捗モニタリング」と呼ばれ、目標達成のためのスタート地点から現在地までに着目する方法と、現在地から目標達成のゴールまでに着目する方法です。つまり、「これまで」と「これから」で現在地をとらえるということです。例えば、「10kmを走る」という目標を立てたとき、3kmの地点にある場合、「これまでに3km走り終えた」と考えたほうが、「これから7km走る」と考えるより、人のやる気は高まることが明らかにされています。逆に、7kmの地点にある時は、「これから残りの3kmを走る」と考えたほうが、やる気が高くなります。
サブゴール
更にやる気を高めるヒントとして、サブゴールの設定があります。大きな目標である「10kmを走る」を、「2kmを5回走る」というように、小さな目標を立てていくこと、この小さな目標がサブゴールです。このサブゴールを設定すると、先ほどの、「これまでに3km走り終えた」場合、次の目標が二つ目のサブゴールの4kmになるので、「これから残り1km」となり、よりやる気が出てくるのです。「進捗モニタリング」と「サブゴールの設定」を組み合わせることによって、目標達成の手助けになると思い、一つの方法を紹介しました。
次に、始めたことを長続きさせるには、についてです。
誰しも、「今日から毎日、日記をつけるぞ」「今日から、毎日10分のジョギングを始めるぞ」など、新しいことにチャレンジした経験はあるでしょう。新しいことにチャレンジして以来、もう何年も続いていて、すでにあたりまえのことになっているという人、三日坊主で終わってしまった人、それぞれでしょう。ストレッチは続いているけれど、ジョギングは三日坊主だったというように、その内容や取り組み方、向き不向きなどによっても違ってきますよね。「継続は力なり」という言葉があるとおり、続けることで、力量や心の成長を見込めるのは事実ですが、継続させていくことに難しさを感じている人が多いのも事実です。
習慣化
そこで、何かを始めそれを続けていくために、習慣化していくことが一つの手立てになります。できるだけ早く習慣化してしまえば、大きな負担なく、始めたことを長続きさせることができます。
ロンドン大学で行った実験を紹介します。この実験では、水を一定量飲むといった簡単なものから、ジョギングなどの運動を習慣化するものまで幅広く行われました。結果から、始めたことを習慣化するまでは、最短で18日、最長で254日もかかり、平均66日の期間を要したそうです。要するに何を習慣化するかによって、期間は変わってくるのです。種類別にみると、「行動に関わる習慣化」「身体のリズムに関わる習慣化」「思考のリズムに関わる習慣化」となります。
では、皆さんに大きく関係する「行動に関わる習慣化」をみていきましょう。「行動に関わる」というのは、学習、日記、読書、片付けなどがそれにあたります。実験結果から、この習慣化に係る期間は、約一月だそうです。ですから、この夏休み中に十分身につけられる習慣といえます。そうはいっても個人差がありますので、自信ないなぁと思っている人にアドバイスです。
「毎日1時間学習する」という目標を立てたとします。まず、実験結果を信じて、一月後には習慣化できているはずだと自分に言い聞かせましょう。さらに言えば、一月後に毎日1時間の学習が習慣化できていればよいと考えましょう。スタートから1週間ほどは反発期といって、習慣化にはとてもつらい時期です。ですから、最初はとりあえず机に向かって5分でも学習するという癖をつけましょう。とにかくハードルを低くして、毎日続けることを強く意識してください。
次に、できたら自分を褒めましょう。「今日は達成できた」「ナイス」「よくやった」など、声に出したり、カレンダーに〇をつけたり。計画表をつけている人は、褒め言葉や成果を記しましょう。オペラント条件付けといって、自分が行った行動に対して良い結果や良い評価が得られたとき、その行動が強化され、それを続けようという気持ちが強くなるのです。ですから少しでも結果を残したら、(続けられたら)自分を褒めてあげてください。また、カレンダーや計画表に結果を書き込むことによって、続けてきた結果が目に見えるようになり、習慣化への自信につながります。
最後に一つ。もしも一日途切れてしまったら。急な用事や体調によってはどうしても決めたことができないことがあります。そのような時、罪悪感をもってしまうことがありますが、一日であれば大丈夫です。気持ちを立て直してまた始めればよいのです。
いよいよ習慣化に向かう一月が近づいてきました。そのような時に必ずあるのが、倦怠期といって、何となく今していることの意味がわからなくなってきた、また、成果が見えないので集中できなくなってきたという時期です。そのような時は、場所を変えてみる、時間を変えてみる、新しい文房具を買ってみるなど、気分転換をしてみることが大切になってきます。目的を再確認したり、変化をつけたりするのが効果的です。
長く書いてきましたが、これはあくまで一つの例ですので、自分に合った方法でチャレンジしてみてください。何もしなくても45日は過ぎていきます。せっかくの45日なので、習慣化を通して何か一つでも自信をもって誰かに話せる成果を残せたら良いですね。
令和8年7月
富里市教育委員会教育長 大澤 昌宏
お問い合わせ
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

