ご卒業おめでとうございます・小学6年生の皆さん、中学3年生の皆さんの卒業に当たり(令和8年3月10日)
- [更新日:]
- ID:17169
メッセージ
小学6年生の皆さんは6年間の、中学3年生の皆さんは3年間にわたる教育課程を終え、卒業式を迎えられたことに、心からお祝い申し上げます。平穏な日々ばかりではなく、辛いことや悲しいこと、行方に立ちはだかる大きな壁もあったと思いますが、その度にそれらを乗り越えて卒業の日を迎えたのでしょう。卒業の日までよく頑張ってきましたね。
教育課程修了の証書を授与される卒業式は、数ある学校行事の中でも一番の行事です。ですから、先生方は、心を込めて、華美ならずとも質実な式場を設え、卒業生を見守る在校生とともに厳粛な雰囲気を作り上げます。保護者の皆様も万感の思いを込めて出席しています。卒業生はそれに応えるべく、所作や返事、歌声でそれぞれ6年間の、または3年間の集大成を披露します。卒業生も在校生も先生方も、真摯な気持ちで共に作り上げ、臨む式が深い感動を呼ぶのです。そしてそれが保護者や来賓の皆様に伝わった時、いつまでも心に残る卒業式になります。新たな世界へ一歩を踏み出す卒業生へのはなむけの場となるのです。
保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。
子どもには、それぞれに個性があります。兄弟姉妹であっても、性格や物事のとらえ方、考え方が違います。もちろん体格や体力にも違いがあります。そのため、お子様のことを理解しながら寄り添い、お子様にとって最適な育て方とはどのようなものかを模索しながらの日々であったことでしょう。
昨年4月の、教育長メッセージの中で、小学校6年間、中学校3年間のそれぞれで子どもたちの身長がどれくらい伸びるのかを紹介しました。義務教育9年間では、男子が平均して46.5cm、女子が39.4cmも成長していることがわかります。ほんとうに大きく成長しています。また、数字で測れない心の成長も、保護者として実感されていることでしょう。義務教育9年間を通して、登校すべき日は約1800日を数えます。1800回の「行ってらっしゃい」、1800回の「お帰りなさい」を続けてきた保護者の皆様のご努力、ご労苦に謹んで敬意を表します。卒業証書はお子様の教育課程修了を証するものでありますが、同時に保護者の皆様の勲章です。
卒業の「卒」は物事を終えるという意味を持ちます。「業」は自分がなすべきことや仕事という意味があります。ここでいう「業」は学校で学ぶべきこと。教育課程のことです。つまり、卒業生の皆さんは、小学校で、そして中学校で学ぶべき教育課程の一切を修了したことになりますが、卒業は修了であって、終了ではありません。あくまでも区切りでしかありません。新しい世界での皆さんの成長は、ここから始まります。卒業は終わりではなく始まりです。皆さんの新たなチャレンジを応援しています。
最後に、新しい環境に一歩を踏み出す皆さんに贈る言葉を記します。
「卒」の漢字に「口編」をつけると「啐」という漢字になります。「なめる、驚く、すする音」の他に、「ひな鳥が卵の殻を内側からつつく」という意味をもちます。普段は使うことのない漢字ですが、「啐」を使った「啐啄同時」という四字熟語があります。読み方は「そったくどうじ」です。では、どのような意味をもつのでしょうか。
「啐」は前出の通り、ひな鳥が卵の殻を内側からつつくことです。「啄」は、「ついばむ、たたく、くちばしでつつく」という意味をもち、ここでは、くちばしでつつくことを意味します。つまり、「啐啄同時」とは、ひな鳥が卵の殻を割って外に出ようとするのと、親鳥がひな鳥を外に出そうと殻を割る行為が同時に行われるということで、両者の行為が絶妙なタイミングで行われるということなのです。
親子関係や、先生と児童・生徒の関係、実社会では、上司と部下の関係でもこうしたことがあるのではないでしょうか。例えば、子どもが今、「英会話にチャレンジしてみたい」と考えているときに、親が「国際社会を生き抜くために、英語を身につけさせたい」と子どもに伝えたら、まさにそれは絶妙なタイミングで、わがままや押し付けではなく「その時」といえるのです。
「その時」を得る。そのためには、日ごろから丁寧な会話を続けることが重要になってきます。自分の考えを伝えることはもちろん大切なことですが、一方的に主張するのではなく、相手が何を思っているのか、どの方向に進んでいきたいのか等々を考えながら、「相談する」「意見を聞く」「ともに考える」「アドバイスする」といったことをタイミングに合わせてできると、お互いの良さが引き立つでしょう。いずれにしても、新しい環境に身を置いた時こそ、会話を大切にし、相手の「その時」を見極める「啐啄同時」を意識してみてください。
令和8年3月
富里市教育委員会教育長 大澤 昌宏
お問い合わせ
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

