夏休みを終えて(令和7年9月1日)
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メッセージ
例年以上に酷暑だったこの夏。10日ほど前から夏の終わりを告げるツクツクボウシが鳴き始めましたが、まだまだ終わりの気配が見えてきませんね。とはいえ、44日間にわたる長いお休みの期間が終わりました。先生不在のなか、自立、そして自律した日々を送ることができたでしょうか。長期の休みだからこそできることを自分なりに見つけ出し、チャレンジすることができたでしょうか。自分を成長させることができたかどうかを必ず振り返ってください。
さて、この休み中に例年通り全国高等学校野球選手権大会が開催され、熱戦が繰り広げられました。全ての試合が放送されたので、テレビ観戦した人も多くいたことでしょう。大阪万博開催に合わせて、現地で観戦した人もいたかもしれません。各都道府県代表が地元の声援を受けて、どの試合も清々しい熱戦をみせてくれました。そのような中、試合以外でも心温まるシーンがありました。その一つが友情応援です。
東邦高校に勝ち、春夏合わせて初めて愛知県代表となった豊橋中央高校には、応援団はあっても吹奏楽部がありません。そのため応援団は、甲子園でも声と太鼓で応援しようと決めていましたが、決勝戦で東邦高校の素晴らしい応援を目の当たりにした選手が、できることなら甲子園で東邦高校からの応援を受けたいとお願いをしたところ、東邦高校が、「ぜひ協力したい」と快く引き受けてくれたそうです。試合後、「東邦高校の応援のおかげで試合中、のびのびプレーできました」と豊橋中央高校の主将が語り、監督は、「東邦高校の応援への憧れがありました。試合当日の朝も選手たちは試合のことではなく、東邦高校の応援の話ばかりしていました。それだけ楽しみにしていました」と感謝を伝えていました。それに対し、東邦高校側は、「こちらこそ幸せな時間をありがとうございました」と返していました。代表を争った高校同士がノーサイド後に健闘を称え合い、さらにその後に続く交流がそれぞれをより成長させてくれるエピソードです。
損得勘定なく、利害にとらわれない純粋な応援は、応援される側も、する側も、心地よい、爽やかな風に吹かれたかのような気持ちにさせてくれますね。
人は一人で生きているわけではありません。そして人は誰でも、より良く生きていきたい、自分の生活をより良くしたい、自分の願いをかなえたいという思いを持っています。そのような願いをかなえるためには、自分さえよければという考えでは到底かなえられません。自分の幸せを追求していくのと同じくらい、自分以外の人の幸せを願い、助け、応援していくことで、その願いをかなえる原動力になると考えます。
令和7年9月
富里市教育委員会教育長 大澤 昌宏
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