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台風被害地フィリピン共和国に支援活動

  • [2014年1月28日]
  • ID:5495

フィリピン共和国における台風30号被害に対する国際緊急援助隊医療チーム(2次隊)活動報告 

11月8日早朝、有史以来最大級とされる台風30号がフィリピン共和国に上陸し、強風や高潮により多くの人々の命を奪い、レイテ島タクロバン市を中心に各地無残な爪痕を残していきました。国家災害対策本部によると、12月上旬までに確認された死者数は5796人。行方不明者はいまだ1800人近くにも上り、いまも396万人以上が家屋を失うなどして避難生活を送っています。

その被害を受けて、JICA(国際協力機構)国際緊急援助隊医療チーム2次隊の一員として小松義孝さん(市消防署消防司令補)がフィリピン共和国に派遣されました。

11月20日に日本を出発し12月3日までレイテ島タクロバン市リサール公園を活動拠点に1200名以上の診察を行い、小松さんは、主に治療優先度判定や衛生環境の確保を担当しました。

帰国後、12月6日同市役所にて相川堅治市長に帰国と活動状況の報告を行い、現地の様子は、「川はがれきで埋まりヤシの木が真ん中からちぎれ、地元の人ですら見た事がない光景が数十キロにわたり、食料配給への長蛇の列は帰国時まで続いていた」と説明しました。

市長へ帰国と活動状況の報告を行っている様子

国際緊急援助隊医療チームの一員としての思い

富里市消防本部 救急救命士 小松義孝

国際緊急援助隊医療チーム1次隊が日本を出発したのは2013年11月11日(月)。「助けに行きたい!」と思う私は居ても立っても居られない気持ちになり、当直明けで勤務先から車で20分ほどの所にある成田空港まで1次隊の見送りに行った。1次隊へは勤務やその他諸々の調整がつかず参加表明をする事が出来ませんでした。その時、「もし2次隊の招集があったら必ず参加表明できるようにする」と心を決めて準備を進めました。現在日本全国で国際緊急援助隊医療チーム登録者は1100名程おりますが、この災害で国際緊急援助隊事務局からの招集に応じた登録隊員の中から幸いにも私は2次隊メンバー29名の1人に選ばれました。

11月20日(水)日本を出発。

現地では強風や高潮により住まいを破壊され、教会などの避難所に避難をしながら暮らしている被災者は依然として多い状況でした。

高潮により横転したトラック

高潮により横転したトラック

川に押し寄せられた瓦礫

川に押し寄せられた瓦礫

町並みの壊れた建物の多くに電気は無く、明かりがついているのは発電機をもつ施設のみでした。

災害が発生した時、略奪や暴徒による治安の悪化に関する報道がありましたが、我々が活動していた期間は、警察や軍の治安維持の努力により危険を感じる事はありませんでした。

災害に遭われた人々は自分が死ぬかもしれないと思う体験や、家族や友人の死と直面する体験をした人も多くいる中、笑顔を絶やさないフィリピンの国民性は印象的で、我々も元気を沢山もらいました。

食料や生活に必要な物資についても、被災された方々への配給場所には多くの人が群がり、避難をしている人々の生活環境を視ると必要なものが充足していると言える状況では無いと感じました。

被災地のほとんどの病院は大きな被害を受けており、各国から来た支援団体によって医療スタッフや器材等の支援を受け懸命に患者さんの受け入れを行っている状況でした。

私たち2次隊が現地で診療を開始したのは、発災から2週間後で1次隊の活動しているタクロバンの診療テントでの引き継ぎ作業をする一方で、市内の病院の機能維持のための復興支援や巡回診療(車で片道1時間ほどの距離)も並行して行いました。診療テントを訪れる患者さんは咳、喉の痛み、発熱、下痢、怪我など、いろいろな訴えのある方がおりましたが、重症度の高い方は少なく、比較的元気そうな方が多かった印象を受けました。

診察テントに訪れる患者さん

診察テントに訪れる患者さん

活動拠点風景

活動拠点風景

診療テント内では、患者さんやスタッフを暑さから守るため、スポットクーラーを3台設置してありましたが最高気温44℃、湿度は80%になる事もありました。また、日に数回激しい雨が降るため、テント内への水の浸入を防ぎ排出作業にも追われました。

もともと医療の乏しい地域では支援の手が届きづらく、避難生活をされている人の間で風邪や結核などの感染症が増える可能性があること、台風以前からの持病があり、血圧が高い方や糖尿病の治療ができずにいる方の悪化が心配されます。また、瓦礫などの大量の廃材を焼却し、その煙によって呼吸のトラブルを抱える患者さんが増加しており対応は喫緊の課題だと感じます。

私たちが作った手作りポスター「水は沸かして飲みましょう!」

私たちが作った手作りポスター「水は沸かして飲みましょう!」

現地での活動はあっと言う間に終わり3次隊に引き継ぎとなりました。

心に残る事も多く、来年になると直ぐに雨期に入り夜間の気温も下がります。夏には再び台風シーズンです。応急的な住居ではなく、しっかりとした住居の整備などの支援も必要です。

皆でやれる事を考えましょう。何かきっとあるはずです。

国際緊急援助隊(2次隊)一同

国際緊急援助隊(2次隊)一同

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